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管理人の日記
劇場版SPY×FAMILYの「SOULSOUP」も最高にカッコよかったな〜!!
せやろか |
少し前のテレビ番組で、「最近のアニソンはオシャレすぎる。もっと濃い曲を聞きたい」と発言する、アニメオタクの外国人が話題となった。
…さて、その「オシャレなアニソン」の具体例として、番組では「海外で最も再生された日本アーティストの楽曲」(YouTube再生数?)というランキングが紹介され、1位がKingGnuの「
さて、この2曲については、私もよく知っている。両者とも、楽曲ではなく、アニメから知り、そして好きになるに至った。
…まず、呪術廻戦については、秋から冬の時期に、第1期からアニメを見始めた(【日記:2023/11/4】)。「SPECIALZ」は、去年7月から12月に掛けて放送された第2期のうち、メイン部分である「渋谷事変」のほうのOPテーマである。ハロウィンの渋谷を舞台に、一般市民を巻き込んだ、「壮絶」という言葉ではとても形容しきれないような死闘が展開された。OP映像は、黒と赤をテーマに、敵味方の主要人物が神社へと歩いてくる…という内容であり、選手入場などとも呼ばれることがある(【YouTube/アニメOP】)。楽曲自体のダークな雰囲気と、死地へ向かう登場人物たちが、実に合っている。
――ちなみに。アニメの展開が狂っているのはその通りなのだが、原曲のMVのほうはもっとぶっ飛んでおり、何が何だか分からない(【YouTube/公式MV】)。歌詞についても、”狂気的な愛情”を歌っているような感じであり、「アニメより原曲のほうが壊れている」という珍しい例である。
一方、【推しの子】のほうは、主に「SPY×FAMILY」のWEB連載を目的としてインストールしている「ジャンプ+」に、漫画版が掲載されており(「ヤングジャンプ」冊子の1週遅れらしい)、初回全話無料ということで、そこで読んだことから興味をいだいて、アニメ版をdアニメストアにて視聴中である。
…やれ、【推しの子】は、以前から名前はよく聞く作品だったが、少女漫画のようなコテコテのビジュアルがちょっと苦手で、これまで手を出してはこなかった。ただ、実際に読んでみると、“ギョーカイ物”とでも言うのだろうか、芸能界を舞台とした、独特のサスペンスやミステリー的な魅力を持つ作品であり、話題になるだけのことはあると思った。ジャンプ+版は、毎週木曜更新ということなので、これから推していきたいと思う。
――そして、その主題歌である「アイドル」は、そのものズバリという題名であり、上でリンクを張った公式MVが、もはや「【推しの子】」のアニメPVとなっている。アイドルソングらしい、キャッチーでオシャレな楽曲であるが、それだけでない、影のある感じや、逆に等身大の女性としての感情など、全てが表現されている。曲調・歌詞・演出ともに、アニソンの中のアニソンという感じだ。アニメ第1話のエンディングで初めて流れた時には、主人公の1人である「アイ」の職業がアイドルであり、あまりにも彼女のキャラクター性に合っていることから、声優が歌うタイプのアニソンであることを全く疑っていなかった。実際には、「YOASOBI」という有名アーティストが担当しているようだ(私は名前しか知らない)。
右の人がサマーオイルとかメロンパン入れとか言われているのマジで草 |
というわけで。呪術廻戦の「SPECIALZ」も、【推しの子】の「アイドル」も、アニメとシンクロする素晴らしいアニソンであると同時に、単体の楽曲としても聴き応えがある。私としては、アニソンとして100点以上のものを出していると思う。改めて思うけど、最近のアニメって、凄いわ…。
…ということなのだが、そういう状況こそが、冒頭のオタク外国人にとっては、「普通のオシャレな曲ばかりで物足りない」という状況なのだろう。加えて、その人は「アニソンのビジネス化が進んでいる」とも述べていた。自分の好きな物が多くの人に受け入れられて、何がいけないのか…。
――さて、これらの言葉から、私は何となく、その外国人の気持ちが分かってきたのである。要は、「自分だけが魅力を理解している」「自分の手の内にある」と思っていたアニソンが、多くの人に認められる娯楽へと成長していく…つまり、変わっていく状況が、面白くないのであろう。深夜番組がゴールデンに進出してしまうだとか、幼馴染の女の子が上京してアイドルデビューしてしまうだとか、多分そういうのと似た感じのものだ。“昔のアニメ”が好きだったからこそ、そういった、愛憎入り交じる感情が生まれてしまうのであろう。
ただまあ、「SPECIALZ」のほうは、原作の雰囲気をほんのり匂わせているくらい(本当は、メチャクチャ研究して、そのうえであえてアニメっぽさを抑えているのだろうが…)だが、「アイドル」をアニソンとして物足りないと言うのでは、原作の理解が足りないのではないだろうか。上のほうでも述べたが、歌詞・MV・曲調、全てが100点満点である。あまりにも作品に合いすぎており、私の中では、必殺技の名前を叫んでいる曲と似たような分類である。
昔には昔の、今には今の、良さがある! |
というわけで。“最近のアニソン”が、昔のものとは異なってしまったというのは、よく分かる。それについて、私は、「子供のため、オタクのためだった楽曲が、より多くの人が親しめるものに進化した」と、肯定的に捉えている。しかしながら、「自分たちだけがひっそり楽しんでいたものが、世間の脚光を浴びて、変わってしまった」と惜しむ気持ちも、分からないでもない。
…ただ、それを、「今のアニメは〜」みたいな主語の大きさだとか、「濃さ」みたいな曖昧な言葉で語ってしまっては、おそらく、誰からも賛同は得られないだろう。昔のアニメには昔のアニメの良さが、今のアニメには今のアニメの良さが、間違いなく存在する。もちろん、その両方を楽しめるのが一番である。だが、仮に片方しか自分には理解できないとしても、“良し悪し”という観点にして、もう片方を非難するべきではないのだ。
――そもそも、私が思うに、その「昔のアニソン」だって、今でこそ定番のところを狙っているように見えるのかもしれないが、当時としては斬新で挑戦的なものだったはずだ。だからこそ、衝撃を与え、そして遠い未来まで語り継がれるに至ったのである。それを、ただ模倣するだけで、当時と同じように受け入れられるというのは、甘えであり、その時代の最先端であった「昔のアニソン」に対する愚弄であるとさえ思う。何にでも言えることだが、変わり続け、進化し続けて、やっと「昔と同じように面白い」と評価してもらえるものだ。
やれ、「新しい物の魅力に着いていけなくなる」というのは、古今東西、よくある話だ。私も、最近の若者のことは、全く分からない。まあ、若者に限らず、そもそも他人という存在が理解できないのだが…。だがそれで、私が「自分だけが優れていて、他者が劣っている」という考え方になることは無い。アニソンも同じで、「昔は良かった。今は駄目」も、「昔は駄目だったが、今は良くなった」も、どちらも共感は得られないだろう。アニメも、時代に合わせて、変化をしてきているのだ。ならば、自分も時代とともに変わり、そして共に楽しんでいったほうが、絶対に良いのである。
――というわけで。私は、「SPECIALZ」や「アイドル」のようなオシャレなアニソンは、大いに結構だ。これからも、流行りや若者・外国人といった新しい人たちの感性を取り入れて、既存の楽曲に囚われない方向性に、どんどん進化していってほしいと思う。最近のアニメって、やっぱり凄い!
(2024年1月21日)
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