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管理人の日記
私にとっては思い出したくない過去ですが、新大学生の皆さまがそんな時代にならないように…
これが私の通った大学…ではなく、2年前に、とある講習会のために行った京都大学 |
大学受験が一通り終わって、読者の皆さまの中には、この4月から大学生という人も居るであろう。そういった皆さまには、私みたいな堕落をしないよう、ぜひ「講義では前の席に座る」ということを心がけていただきたい。
…まず、私が大学に入ったのは、今から15年も前の話である。高校時代は勉強を非常に頑張ったということもあり、当時の第一志望であった、名前の上では名門と呼べるような大学へと入学することができた。そのために、家を出て、都会で初めての一人暮らしもスタートさせた。また、“大学デビュー”とでも考えていたのか、高校時代は部活に入っていなかったことを反省し、大学では積極的に部活・サークル等で活動をしていこうと考えた。
――しかし、それらの結果は、思い出すのも嫌になるくらいの大失敗である。学業を始めとし、友人関係・恋愛・自己成長・就職などなど、ほぼ全ての面で、これといった成果が無かった。しかも、“もう大学は自分の能力向上に繋がらない”とハッキリ分かっていたのに、退学を決断することもなく、留年までしてダラダラ6年間を過ごしてしまった。良かったことは、FF13やダンスダンスレボリューションといったゲームに熱中できたこと、以上である。
まあ、そもそも根本的なこととして、高校時代から、私は「大学に行くこと」を目的としておらず、単に「受験に合格をすること」、つまり強い敵を倒したいという偏差値バトルRPGをやっていただけであった。よって、そのクリア後に目標を失うのは当然であり、入った大学の名称は関係なく、どこに行ったとしても、学業からドロップアウトしていただろう。
…その他の点においても、私は根本的に他人が苦手であるため、一時的な友人関係・恋愛関係を持っていたとしても、すぐに破綻していたはずだ。就職についても、実は、世間的に“出世”と呼べるようなルートに“軌道修正”できたことがあったのだが、その間違った上昇意欲のせいで、数年勤めていた会社を辞めることになった。惨めな退職であった…。そのため、仮に、大学卒業後すぐに有名企業に就職できていたとしても、長くは続かなかったはずだ。
――要するに、どうあがいても、私が成功する未来は無かったのだ。こんな記憶を、わざわざ掘り返したいわけが無い。だから今回は、いつものような“過去記事へのリンク”は貼らない。興味の有る方は、日記のログを調べてみて、そして私には報告しないようにしてほしい。
真面目なのではなく、不真面目な自分を知っているからこそ、あえて前に座るのだ |
では。そういう私が、なぜ「大学では前の席に座れ」と主張するのかと言うと、私が大学で最初に失敗したことがそれだからである。
…やれ、今でも覚えている。授業名は「基礎現代化学」で、授業の初日・金曜日の5限目であった。先んじて、新入生歓迎会(サークル・部活の勧誘会)で、「この授業は皆が取る」という情報を手に入れており、それを元に、履修登録の前に、意味も分からず行ってみたのだ。
――だが、自転車圏内に住んでいたということで、開始ギリギリを狙いすぎたためか、教室は既に満席であり、最後列の更に後ろで立ち見にされた。もちろん、字などまともに読めるわけがない。そして、高校を卒業した直後の私には、「PowerPointスライド」と、「それを印刷したスライド資料」という物の意味が分からず、「なんかカラー印刷のされた紙がかなりの時間が経ってから回ってきたあげく、遠くのほうでパソコン画面がチラチラ変わっているのを見せられて、90分後に終了」というものであった。夕日の差す教室で、まったくもって虚無な時間を過ごした。鈍器で殴られたかのような、負のイメージである。これは、私の大学における、記念すべき1コマ目の授業だったのだ。今となっては、その後の運命を予見していたようにも思える。
では、そこからどうして私が、「前の席に座れ」と言いたいのかというと、もちろん、その最初の授業で、私が早く登校していれば、立ち見ではなく、前のほうの席に座れていただろう。その場合、PowerPointの画面はよく見えていただろうし、スライド資料は即座に貰えていたはずだ。そして、「前のほうの席で監視されている」という緊張感により、集中力も上がっていただろう。さらに、その場面だけでなく、他の授業においても「前に座る」ということを心がけていれば、仮に学習意欲が落ちることは不可避だったとしても、少しはそれを抑えられた可能性があるのだ。
…さて、ネットでこの手の話題を検索してみると、「前のほうに座っているやつ」は、“真面目”だとか“ガリ勉”などと形容されているようだ。私も、今この手の機会があって、席が自由に選べる場合には、必ず“前のほう”、なんなら最前列に座るよう心がけている。しかし、その理由は、真面目だからではない。むしろ、元来の自分が不真面目だと知っており、それで失敗をしたからこそ、少しでも集中力を落とさないよう、無理やり前の席に自分を縛り付けているのだ。意欲という気持ち面を維持するのは難しいもので、それと比べれば、「前の席に座る」という行動は遥かに簡単なのである。
やれ、大学は、勉強をする者にとっては良い環境だろうが、同時に、堕落をするのにも最適な環境である。
――だが、どうせいつかは落ちぶれるとしても、わざわざ苦労して「名門」と呼ばれるような大学に入ってまでやるべきことではないであろう。大学入学時、18歳の私に最も必要だったのは、偏差値バトラーの能力値ではなく、「前の席に座る」という、文字通り“前向き”な学習意欲であったのだ…。
(2022年3月18日)
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