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「スーパーマリオ64」感想…名作だが、不朽ではない / やり込みinFF

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管理人の日記
サンシャイン&ギャラクシーが楽しかったので、続けてプレイしましたが…

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2021年3月13日(土)
「スーパーマリオ64」感想…名作だが、不朽ではない


 
もう、今の子供たちが楽しめる作品ではない。せめてアレンジされたDS版を移植すべきだった


 
マリオ3Dコレクション 感想リンク【サンシャイン】 / 【ギャラクシー】 / 【マリオ64】
 先日の「サンシャイン」「ギャラクシー」に引き続き、今回は「スーパーマリオ3Dコレクション」に収録されている最後の作品である
「スーパーマリオ64」を完全クリアーしました。感想は、「名作だが、既に朽ち始めている。FF7のように、リメイクすべき作品」というものです。
 …まず、原作の「マリオ64」は、1996年にニンテンドー64のロンチタイトルとして登場した。今さら私が言うまでもない、
名作の中の名作であり、その後の3Dアクションゲームに多大な影響を与えた。当時、初代PSには、まだアナログコントローラーは登場していなかった。そんな中で、ニンテンドー64の3Dスティックを使い、「箱庭」と形容される3Dマップを探索していく形式は、非常に斬新であった。その他、ネット上でも非常に人気の高い作品であり、タイムアタックにTAS・バグ研究など、多彩な楽しみ方が為されている。
 ――さて、私個人のことを言うと、小学生時代に、友人宅で「マリオ64」をプレイさせてもらったことがあり、その凄まじいまでの完成度に圧倒され、SFCの次のゲーム機は是非ともニンテンドー64を買うべきと主張していた。結局、それは叶わず、私のゲームの軸はプレイステーションに移っていったのだが、マリオ64のことは忘れられず、その後の2006年になってから、ニンテンドーDSでの“リメイク寄りの移植作”である
「マリオ64DS」をプレイした。その当時の私は、DSであまり良いゲームと出会えなかったのだが、この「64DS」だけは、良い思い出として残っている。

 そんなわけで。「スーパーマリオ64」は、私個人にとっても忘れられないタイトルなのであるが、この2021年になってからコンプリートまで再プレイをして分かった。
もはや、「マリオ64」は、現代の子供たちが楽しめるゲームではなくなっているのである。
 …まず、絶対に無視できないのが、今の基準から言うと
「極めて悪い」と表現せざるを得ないカメラ動作である。本作は、基本的には、右スティック(スイッチ版)でカメラを自由に動かせる形式なのであるが、一度に90度ずつしか回転しない。また、真横や後ろといった見やすい位置に移動させても、勝手に動いていって、思った通りの表示で固定できない。追い打ちを掛けるように、そもそも全く動かない場面も数多く存在する。やれ、1996年当時は、自由に視点を操作できるタイプの3Dアクションがほぼ無かったので、これでも十分にクオリティが高かったのだろう。しかし、残念ながら現代では許されないレベルであり、ゲーム開始から完全クリアまで、一貫してストレスを覚える要素となっていた。
 ――加えて、
アクション部分の操作性についても問題がある。「独特の慣性」「多彩すぎるアクション」については、本作のゲーム性でもあるので、批判するべき点ではない。しかし、本作では「方向転換をする際に、まっすぐスティックを倒した方向に動かず、ぐるりと回るように移動する」という変な挙動がある。これは、役立つ場面が全く無い死に動作である。このゲームでは、“マリオ1人ぶんくらいしかスペースの無い足場”を連続で渡っていくような難しい場面も数多く存在するため、そういったところで暴発し、容赦なく落下死を招いてくれるのだ。これについては、初代PS時代のバイオハザードのように、人間はその場で回転できるので、リアルな動作ということでもないだろう。一応、ゆっくりスティックを倒すとその場で方向転換してくれるため、高難易度ステージではキャラを方向転換させるだけでヒヤヒヤするという奇妙な事態が発生していた。その他、壁際に近づくと、マリオが“カニ歩き”のような動作に移行するため壁に張り付いてくれるのだが、これもまた頻繁に暴発する。いったん張り付くと、スティックを戻す程度では剥がれないため、そのつど面倒な思いをすることになっていた。これは、全く役に立たないわけではないが、邪魔になった場面のほうが遥かに多かった。

 とはいえ。本作は、エンディングを見るだけであれば、集めるべきスターは
0個70個で良く、「サンシャイン」と違って飛ばし飛ばしでも良いため、簡単なところから掻き集めていけば、割と容易にスタッフロールの千の風になってまで到達できる。
 …のだが、コンプリートを目指すとなると、「3Dコレクション」の3作の中でも、
最大級の難関となってくる。そもそもの、情報なしでは入手が極端に難しいスターについては、まあ「探索」というゲーム性と捉えられるだろう。しかしながら、アクション面については、極めて微細な動作が要求されるくせに、カメラや操作性の影響で思ったような動きができず、落下して即死するか、何分も戻されるという場面が頻発し、非常にストレスが溜まるのだ。
 ――具体的に、私が苦戦したのは、長丁場なうえにアクションが難しくカメラワークも獄烈な「チックタックロック」、純粋なステージ難易度はそれなりだが待たされる仕掛けが多い「レインボークルーズ」、カメラが悪すぎて
見えない空を飛ぶという虚無を強いられるうえに失敗すると放り出される「にじかけるはねマリオ」などである。その他にも、意味も分からず2種類の排水溝に流されていく「ウォーターランド」や、8枚の赤コインを取った瞬間に燃やされて落下する「ちびでかアイランド」など、嫌らしさを感じる場面も多い。これら難関のほとんどは、「カメラ視点が悪い」「失敗するとかなり前からやり直さなければならない」の2点に集約できる。本当に視点が酷い場面では、「虚空に向かって飛んで、マリオが壁に引っかかってくれればOK!」というような運ゲーまがいの行為をやらされるところもあった。3Dゲームでは、物が見えなければ、全く楽しくはないのである。

【こちらの動画】から画像をいただきました。やっぱクッパは変な顔だったのか…


 というわけで。確かに、
「スーパーマリオ64」は、3Dアクション界における伝説的な名作である。しかしながら、2021年の現在になって遊びなおしてみると、あまりにも苦しい面が多く、思い出補正なしで遊べるものではない。「サンシャイン」「ギャラクシー」にも、操作性やカメラの問題はあったが、それらでは比べ物にならない。もはや「楽しさ」よりも「イライラ」のほうが上回っていた。私は、サンシャイン&ギャラクシーの2作を楽しませてもらったことに二宿二飯の恩を感じ、使命感をもって完全クリアーしたが、これが初見だったら、間違いなく最初のちょっとでやめていたであろう。

 やれ。これは私の意見であるが、SFCの末期に発売された「ヨッシーアイランド
(SFC/GBA)」「ファイナルファンタジー6」といったゲームは、ドット絵の粋が詰まった超美麗グラフィックであり、2Dということで操作も分かりやすい。そのため、今なお「レトロゲーム」というジャンルで親しみやすいし、他人にも勧めることが可能である。
 …しかしながら、それらの続編として発売された「マリオ64」「FF7」は、2Dと3Dの間の“不気味の谷”とでも呼ぶべきだろうか、
現代の基準からすると違和感がとても強くなってしまっている。私の知り合いでも、FF6(ゲームアーカイブス/Vita)はクリアしたが、同環境でのFF7は途中で投げ出したという人が居た。実際、FF7は3Dでの初作品ということで、後世の作品に比べて、操作性で未熟な点が多いため、気持ちは分からないでもない…。
 ――しかも、マリオ64とFF7を比べた場合、FF7は、ワールドマップ以外は2Dベースであり、ゆっくり時間を掛けて操作ができるうえ、
どうしても合わない場合にも「物語を読む」という楽しみ方ができた。それに対し、「マリオ64」ゲーム性=操作性であり、これと言ったストーリーも無いため、操作性に慣れられないと全く楽しむことはできない。そして、その操作性は、もう現代では「劣悪」と呼ばざるを得ない状況になっている。つまり、マリオ64は、もう死にそうになっているのである。

 ちなみに。マリオ64については、2004年12月に、DSにて
「スーパーマリオ64DS」という作品が発売されている。これは、“リメイク寄りの移植”であり、グラフィックが強化されているほか、収集要素であるスターが120個→150個と増加しており、関連するクエストやサブステージが追加されている。今の私は、ソフトを紛失してしまったので確認できないが、「カメラを自分の背中に一瞬で移動させる」というボタンが追加されており、私のプレイ時も極端なストレスを感じた記憶は無いので、カメラワークについても一定の改善が為されていると思われる。細かいところとして、マリオサンシャインの「ドルピックタウン」の曲が使われているステージがあり、後の鬼作である『サンシャイン』と私の馴れ初めとも言える作品である。
 …やれ、初代マリオ64は、3D移行期の作品ということで、我々の知っているマリオシリーズのキャラクターたちとは違う
珍妙なグラフィックが多く、これはこれで味があると評価できるかもしれない。しかしながら、私の考えとしては、その後にリファインされたDS版のほうが親しみやすいと感じる。また、スターを始めとした様々な追加要素は、名作に新しい千の風を吹き込んでくれるものであり、純粋に嬉しいものであった。極端な難要素も、緩和されている場面が多い。そのため、この「マリオ3Dコレクション」に収録する際にも、DS版をベースとした移植をしてほしかったと思う。
 ――しかしながら。実際に出てきたのは、追加要素のない「マリオ64」のほうである。それだけならまだしも、変更点は
「画素数をHD化し」「ボタン操作に対するテキストを書き換えた」というくらいであり、それ以外はこれといった改良点が見られない。「遠くのオブジェクトが接近すると急に表示される」といったグラフィック面における問題の調整も、前述したようなカメラや操作性の調整も為されておらず、要するに高性能ハードで単純に動かしただけである。それでは、原作がいかに名作と言っても、現代に受け入れられるような作品とはならないのだ。

本当に語り継ぐべき作品だからこそ、今回のようなベタ移植でお茶を濁すべきではない


 そんなわけで。確かに、「スーパーマリオ64」は歴史的な傑作だが、
しかし「不朽の名作」ではないのである。
 …やれ、この言葉の意味は、「本当の名作には僅かに届かない出来だから、不朽とは呼べない」というものではない。
そもそも娯楽において、不朽など有り得ないのだ。現代の基準に合わせて、少しずつ作り直さなければ、新しい人たちに受け入れてもらえず、必然的に消え去ってしまうのだ。
 ――ちなみに、上でも比較した「FF7」「マリオ64」のうち、FF7は、“リマスター版”として原作を配信したうえで、“完全リメイク”も分作形式とは言え発売中である。そしてマリオ64も、「作品の影響力」「過ぎた時間」から考えれば、
完全リメイクをして良い作品である。そうでなくとも、FFシリーズのリマスターのように、移植の際には、ある程度の改修を入れるべきであろう。特に、上で述べたように、マリオ64では「操作性=ゲーム性」であり、そこが現代でのプレイが苦しい理由となっているため、その辺りを調整することで、グラフィックはそのままでも、かなり遊びやすくできるはずだ。

 というわけで。
「スーパーマリオ64」は、不朽の名作ではなく、もう既にプレイが苦しくなってきている。
 …やれ、この出来では、
年齢1桁〜10代前半の今の子供たちには、受け入れてはもらえないだろう。何故なら、私たちがそういう年代だった頃とは、時代が違うからである。今でこそ、「父『パパが子供の頃はなあ…』 子『ふーん…(興味なし)』」という感じであろうが、ここから時が進めば、「爺『おじいちゃんが子供の頃はなあ…』 孫『ふーん…(興味なし)』」という状況に必ずなる。そして、文化が消えるのである。
 ――だが、「マリオ64」ほどの名作は、消すには惜しい。今回は残念な結果であったが、次こそは完全リメイクか、最低でも「操作関連を改善したうえで、DS版の追加要素も含んだ移植」を行うべきだ。マリオ64は、世代を超えて語り継ぐべきゲームである。

(2021年3月13日)

登録タグ/ ゲーム一般 3Dマリオ
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