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管理人の日記
素晴らしい強敵たちを相手に、臆することなく戦えた4試合だったと思います。
最高の戦いぶりでした。ただ、それでさえ勝てなかったというのも事実です |
今朝早く、サッカー・ロシアW杯での日本の戦いが終わった。途中、優勝候補の一角であるベルギー相手に2-0まで突き放した時には、誰もが「ひょっとすると行けるのではないだろうか」と期待したが、そこから相手が驚異的な勝負強さを発揮し、終わってみたら2-3で負けていた。ラスト1分、入っていてもおかしくない本田のフリーキックが相手キーパーの好セーブに阻まれ、逆にカウンターで勝ち越し点を決められてしまい、そのまま長い笛が吹いたことは、まさにこの試合全体を総括する出来事であったように思う。
…ということで。今回の2018年サッカー・ロシアW杯を、私は19日の第1試合から全て視聴をしてきた。日本代表チームの下馬評というと、「3連敗」という意見が圧倒的だったが、まあ世界ランキングだけで決まるなら試合をする必要は無い、勝負なのだからやるまで分からないというものであり、せっかくこういうお祭りなのだから、自分の国くらいまっさらな気持ちで応援をしたいと考えていたのである。
――その結果、1戦目のコロンビアには2-1で勝ち、2戦目のセネガル戦は2-2で引き分け、3戦目のポーランド戦は0-1で敗北するも決勝進出、そして本日朝早くのノックアウトステージ第1戦は2-3で敗北という成果になった。日本代表チームとしての成績は、2002年・2010年大会と同じく、「ベスト16」で終わりである。ただ、これら4試合の成果は素晴らしいものであり、単純に戦いとして見応えがあったのはもちろん、今後の日本代表チームが「どのような強さ」を目指すべきかということを考えさせられるような場面もあった。というわけで、本日は、日本代表選手の素晴らしい戦いを称えると共に、その1試合ごとの感想を、未だ興奮冷めやまぬ中で書いてみたいと思う。
●第1戦 vsコロンビア 2-1
/ 6月19日(火)21:00(※時刻は全て日本時間・試合開始時刻)
前回2014年大会で完敗したコロンビアとの戦いは、開始直後に相手ハンドからのPKで先制、その後にかなり厳しい判定で与えられたフリーキックから追いつかれるも、個人技の光る素晴らしいゴールで再び勝ち越し、そのまま10人のコロンビア相手に逃げ切りに成功をした。4年前の雪辱は、これで完璧に晴らすことができたと言えよう。
選手個人の身体能力はもちろんだが、それ以上にズル賢く審判を欺こうとする南米流のサッカーは、日本が参考にすべき手段の一つかもしれない。
●第2戦 vsセネガル 2-2
/ 6月24日(日)24:00(25日[月] 00:00)
フィジカルで大幅に勝るアフリカ国家との戦いは、力と力のぶつかり合いとなった。序盤は空中戦でボールを奪われる展開が多かったものの、中盤以降はそれも持ち直し、二度先制されるも追いつけたのは素晴らしかった。特に、選手交代で流れを変えられたことは、非常に良かったように思う。
正々堂々とぶつかり合いをし、そして勝利をする体力は、日本選手に必要なものだろう。
●第3戦 vsポーランド 0-1 /
6月28日(木) 23:00
予選ではランキング最上位であったポーランドとの戦いは、多くの考えさせられる課題が得られた。前半こそ互角と言って良い戦いができていたものの、後半に先制点を決められてからは、交代カードを2枚切ったにも関わらず、これと言ったチャンスを作ることができない試合展開が続いた。そして最後の10分ほどは、今大会から導入された「フェアプレーポイント」での決勝進出を頼りに、0-1で負けているのにバックパスで時間潰しをする日本と、既に敗退が決まっているためそれに同調するポーランド…という世にも奇妙な試合が展開される始末であった。
…さて、この試合に関しては、皆さまご存じの通り賛否両論となった(まあ、いつもの”外野”さんたちも大勢訪れたのだが…)が、ルールに関して言えばこのような取り決めを定めたFIFAが考えるべきことであり、日本チームに対してはむしろ先制点を決められてからの情けない20分間のほうを非難するべきであろう。正直、全く点が入る気がしなかった。結果的に、あの時間潰しは成功して、日本は決勝トーナメントに進むことができた。逆に、正攻法で戦いを挑んでいっても、自力進出条件である引き分けにたどり着ける確率は極小であり、追加点を決められて敗退していた恐れが高かったように思う。
――さて。この試合は、結果的に「日本サッカーがどのような”勝ち”にこだわっていくか」という点について、重要な問題提起ができたように思う。つまり、「ルールの悪用」と誹りを受けても結果だけを求めに行くか、それとも目の前の試合に真っ向勝負を挑んで「玉砕」するか、ということだ。
●第4戦 vsベルギー 2-3 /
7月3日(火) 03:00
そして本日の試合は、皆さまご存じの通りである。前半は、まさしく「強い国」と「弱い国」の戦いという様相であったが、決死の覚悟で挑んでいった日本DFたちによって何とか無失点に抑えることができた。そして、後半の早い時間帯で、まさかの日本が2点先取という展開になったが、試合の終盤になってベルギーが怒涛の攻めを展開し、あっという間に2点の差を詰められてしまった。そして後半終了間際、誰もが延長戦を予期していた時に、本田の100点満点に近いフリーキックが跳ね返され、逆にコーナーキックのミスからのカウンターで最後の失点をし、そのまま試合が終了してしまった。
…さて、この試合の内容は、確かに「世界ランキング3位の強敵に、日本が素晴らしい一撃を加えた」と評価できるものであった。しかし、日本が全身全霊をもって挑んだとしても、やはり屈指の強豪国には勝つことができなかったのである。日本チームは運にも恵まれていたし、審判も公平どころか日本有利な判定が多かったくらいであり、選手たちにも大きなミスは無かった。それでも、相手チームが総合的な力で上回り、最終的な勝利を掴んだのである。純粋な白人に加えて黒人から侍のような風貌の選手まで揃えたベルギー代表は、個人でも組織でも優れており、後半2点ビハインドという圧倒的不利を覆すだけのプレーをした。全てを出し尽くした日本が負けるに相応しい、素晴らしいチームだった。
――さて、このような敵に日本チームが勝つには、体力や作戦はもちろん、練習環境から思想に至るまであらゆる点を磨くしか無い。この負けは総合力の敗北だからである。だが、悲観的になりすぎるの必要も無い。今できる全力を出し尽くしたからこそ、このような課題を発見できたのだ。この差は簡単に埋められるものではないが、しかし絶対に埋められないものでもない。敗退はしたが、今後への期待も持てる内容だったように思う。
というわけで、今回のW杯における日本の挑戦は終わってしまったが、言うまでもなくこれで日本サッカー自体が終わるわけではない。これら4試合の分析は既に始まっており、それを活かす形で今後の日本サッカーは発展していくはずだ。そして、この戦いに感化された少年少女たちは、次の世代の日本チームを支えていってくれるし、そうでなくともこの戦いをきっかけに様々なスポーツに興味を持つ人も多いだろう。それはきっと、これからの日本を豊かにするにあたって、非常に重要なことである。運動競技は、やるのも見るのも楽しいものだ。
――そして、いち視聴者の目線としては、非常に見応えのある4試合を提供していただき、関係各位に感謝するしかないというものである。コロンビア・セネガル・ポーランド・ベルギー…これらのどの国も、それぞれの特色を活かした最高のライバルであった。このような国々と戦えたことを「誇りに思う」…と表現してしまうと仰々しすぎか。言い方を変えよう。素晴らしい
(2018年7月3日)
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