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管理人の日記
とりあえず、早く続編の情報出してください。
スピード感が足りない |
先日夜、PS4/「モンスターハンターワールド」のテレビCMが初公開をされた(【Youtube】)。この作品は、ご存じ今年の米E3(6月)で公開されたモンハンシリーズの最新作であり、業界事情に長らく翻弄されてきた同シリーズが、久しぶりにPS4で完全パワーアップを遂げて発売されることで話題となった。ナンバリングこそ付いていないが、正統続編に相当する作品であると告知されている。また、発売は来年1月26日と、第一報から半年強で発売するスピード感も大変素晴らしい。ファンからは久しぶりの据え置き機での大型続編ということで期待をされ、業界的にも低迷する日本の家庭用ゲーム業界に新たな一石を投じられる大型タイトルということで、いま非常に注目されている作品である。
…いっぽう、同じ夜に、私がファンサイトをやっているはずの「ファイナルファンタジー」については、某15のダウンロードコンテンツの延期と値上げがひっそりと発表された。内容は、某15のバトルシステムと世界観を流用したオンライン協力プレイができるものらしいが、既に私は完全に某15に対する興味を失っており、詳しい情報は何も知らないため、これ以上触れることはやめておこう。
――さて、この2つの情報を並べたとき、皆さまはどう思われるだろうか。両方とも人気の高い(“高かった”)ゲームシリーズという点は共通であるが、かたや久々の大型新作が制作順調で発売へと突き進んでいる姿、かたや失敗作の敗戦処理がグダグダを極めている姿である。そして、いちおう後者のシリーズのファンを名乗っている者としては、この状況が情けなくて仕方がないのだ。何故、こんなことになってしまったのだろうか…。
そういうわけで。昨年末に書いた通り、私は某15に関してもう何も期待していない(【2016/12/27】)のだが、FFシリーズ全体に対する希望まで無くしまったわけではない。では、その観点から考えた時に、今のFFに一番不足しているものは何なのだろうか。それは、スピード感だと思うのである。
…というのも。今から考えれば恐ろしいことであるが、かつてのFFは1〜2年という凄まじいペースで発売されていた。例えば、今なお「PS三部作」として親しまれる『7』〜『9』は、『7』が1997年1月、『8』が1999年2月、『9』が2000年7月と、それぞれ手早く発売されており、内容的にも単体のRPG作品として完成度の高いものとなっている。この頃、売上や人気は最上級のものを記録し、私もここからシリーズに親しみ始めたものだった。
――そして、PS2〜PS3時代は、『10』が2001年7月、『12』が2006年3月、『13』が2009年12月などと、それぞれかなりの期間を開けて発売されてきた。もっとも、それぞれの作品の内容はと言うと、『10』ではキャラクターボイスを取り入れて進化した物語性とその後のターン制RPGの雛形になったバトルシステム、『12』では凄まじい完成度を誇るガンビットに圧倒的なボリューム、『13』ではRPGのお約束をバッサリ捨てて戦闘・シナリオに特化した構築などと、それぞれがその時期時期の制作技術を極限まで活かした非常に挑戦的な作品であった。この頃のFFには、確かにスピード感は無かったが、ゲーム業界において唯一無二の存在感を誇っており、「FFは挑戦し続ける作品」との印象を多くの人に植え付けていたように思う。
ところが。それから更に時が進み、2010年代になると、スマートフォンの普及などによる娯楽の多様化が進み、ゲーム業界のみにおいても、海外大作タイトルや携帯電話向けオンラインゲームの登場などによって、今や娯楽すら大量消費をする時代に変わり果てた。そんな時代において、旧来のような“大艦巨砲主義”…つまり「大作なら何年も掛けてじっくり作り込んでも構わない」という考え方は、既に圧倒的な時代遅れとなってしまった。
…しかしながら、FFの姿勢は「大艦巨砲主義」であり続けた。その結果が、昨年11月に某15という最悪の形で実ってしまったのである。むしろ、発売ペースが悪ければ、単体の作品としても不出来であり、「大艦巨砲」ですらない。そして、「アップデートロードマップ」などと題して、続々と追加コンテンツを配信していくような喧伝をし、“シーズンパス”という先行チケットで既にお金を取ってしまったため、途中で打ち切ることもできない。購入者の5%しかプレイしていないDLCを今さら作り続けてどうするというのだ。それはまさしく、「敗戦処理」と表現するしかない、最悪の状況となってしまった。
――かくして。FFシリーズからは、『7』〜『9』のようにテンポ良く作品を出すスピード感も、または『10』『12』『13』のような独創的な作品を作り出す挑戦心も、その両方が失われてしまったのである。なお、前者であるスピード感の喪失については、『7』のPS4リメイクについて発表から2年半が経っても未だにまともな続報が無いという点で、今なお進行中である。本当にPS4時代に出す気は有るのだろうか?
そもそも『16』は??
そんな感じで。今のFFからは、シリーズの人気を成り立たせていた2つの要素が両方とも欠落してしまったわけであるが、では今のFFシリーズには何が必要なのだろうか。それは、冒頭にも書いた通り、スピード感のほうだと思うのである。
…というのも。例えばPS3時代は、ゲーム全体が様々な業界事情に翻弄された時代であり、『13』もその割を食ってしまったのだが、その状況下でも「FF13」「FF13-2」「ライトニングリターンズ」と、合計3作品が発売されていた。これらは、その発売当時は主に批判的な目で見られたものであったが、いま考えると限られたリソースを有効活用してそれなりのペースで作品を出し続けるという意味で、現環境に対応したものではなかっただろうか。
――というわけで。結論としては、今のFFに必要なのは「スピード感」である。残念ながら、FFが品質面で「世界最高のゲーム」と呼べるクオリティに達することは、もうどう頑張ってもできそうにない。ならば、過去作は使える資源を有効活用して、そして新作は適度な作り込みをしながら情報発信もして、それぞれテンポ良く発売をする。過去作のリメイクや、失敗作の尻拭いに何年も掛けている場合ではないのだ。そうしているうちに、どんどん人々の関心はFFから離れていってしまうことだろう。私は、もう某15に関しては結構だし、シーズンパスも無駄だったと割り切ったので、適当にスタッフのサイン色紙でも配って終わりにしてくれれば良い。早く、「FF16」の情報を出してくれ。
(2017年10月22日)
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