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管理人の日記
何これ、いつもの激しさではないわ(←りりしい)
餅つき? |
同人シューティングの金字塔である「東方」シリーズに、いよいよ最新作が登場である。その名も、「東方紺珠伝(“かんじゅでん”)」。先日情報が公開され、5月のイベントで体験版が配布、完成はこの夏だそうだ。東方シリーズの正統作品としては、第8作:『輝針城』以来、2年ぶりの新作である。
…さて。今作の特徴としては、まずは「うどんげ」こと、「鈴仙・優曇華院・イナバ(れいせん・うどんげいん・いなば)」が、正統ナンバリングでは始めて自機に抜擢されたことである。また、作品自体のサブタイトルも「Legacy
of Lunatic Kingdom(“月王国の遺産”)」とあり、シリーズ第3作:「永夜抄」との関連が期待される。あれですね。やっぱり新作でも座薬を投げつけて戦うのでしょうか。
――また。「ゲームシステム」に関しては、詳細は明かされていないものの、「かなり冒険した」らしい。公開されている画像には、「Chapter
Finish」や「中断データー」などという文字が見て取れるため、いわゆる“章構成”となり、6面式のシステム自体にメスが入れられるのかもしれない。
ということで。1年前から再びシリーズをプレイするようになった俺(【2014/5/13】)は、その頃から続編を今か今かと待ち続けていたため、新作発表のタイミングが先日の日記を下書きした直後という最悪のタイミングだった(【2015/4/22】)ことを除けば、大満足というものである。
…さて。俺がこれだけの期待を寄せている理由には、前作の「輝針城」がシリーズの中でも特に出来の良い作品だったことが挙げられる。そのクオリティたるや、もはや「同人だから」と言えないレベルであり、その続編となると、更にパワーアップしていることは言うまでも無いのである。
――やれ。世間には、東方シリーズ原作を「二次創作のための素材集」として見ている人も少なくないが、俺は逆に原作STGにしか興味が無い勢である。時代に逆行する「2Dシューティング」というゲーム性のみに特化した姿、運とパターン要素の絶妙なコラボレーション、そして1ドットの差が明暗を分ける極端なストレスとそこからの解放感は、まさにゲーム文化が目指す完成系の一つである。こういうゲームこそが、「同人作品」として、これからも評価され続けなければならないのだ。
ところで。
東方シリーズと言うと、毎年「例大祭」や「コミックマーケット」などの同人イベントにて新作が発売され、その後に時期を開けて各所の同人ショップで販売が行われる…という形式を取っている。以前は、同人ショップでの販売開始までに1ヶ月程度の時間が掛かっており、事実上イベントでの配布が“先行体験”となっていたのであるが、「輝針城」ではほぼ時期を開けずに発売されたことから、発売時期の問題は発展的に解消されたと言える。
…が、である。地方などでは同人ショップがそもそも無いということもあり、未だに入手難易度が下がったとは言い難い。例えな、俺の住んでいる関東の誇り・新潟県にも同人ショップは有るのだが、それがことごとく新潟市であり、他の地方に住んでいる人にとっては絶望的な状況である。その他、俺の場合を挙げてみると、いま使っているPCにはCDを入れる穴が無いため、買ってきても直接インストールすることができない。また、一度インストールが終われば、CDメディアは完全に不要となってしまうのである。
――というわけで、上記二つの問題を解決するために、俺としてはダウンロード版をディスク版と同時に発売してほしいのだが、さすがに個人製作の物にそこまで求めるのは酷というものか。一応、「輝針城」のダウンロード版は出ているのだが、それ以外の作品は未だに配信されていないし、最新作についても何のアナウンスも無い。というわけで、今回はディスク版で何とかやりくりするつもりであるが、徐々に様々な手段でプレイできるようにしていき、多くの人が楽しめるようにしてほしいものである。うん、原作のVita移植待ってますさあ早く。
霊夢「ところで私のお祓い棒を見てくれ。こいつをどう思う?」 |
そんなこんなで。二部構成の後編では、“前作”となる「東方輝針城(“きしんじょう”)」の感想について書いていくことにしよう。ちなみに、今回このような二部構成にした理由は、こういう区切りの良い時期にしっかり単独記事を作っておかないと、なあなあになって流れてしまう恐れが非常に高いからである。これだけの作品を後世になって振り返れないのは、あまりに悲しいというものだ。
…というわけでの、シリーズ第8作:「輝針城」の最大の特徴は、まずは画素数がこれまでの640*480から1280*960となり、映像の鮮明さが大幅にパワーアップしたことである。また、何かと否定的に捉えられることの多いキャラ絵も、シリーズとしての味を残しつつ親しみやすい、上手な場所に落ち着いている。以上の点により、グラフィックについてはそれまでの作品とは段違いに向上していると断言して良い。
――やれ、東方シリーズは“同人ゲーム”ということで、あまりグラフィック面には注目されなていない(期待されていない?)が、やはり綺麗であるに超したことは無いのである。今作の高評価の理由が、この進化した画質に依るというのには、何の疑問の余地も無いだろう。
また、その他の点に関しては、まずシステムは「多くのアイテムを同時に回収するとボム/残機アイテムが貰える」というものであり、分かりやすいながらも奥深さを実現している。しばらく複雑なシステムが続いたシリーズとしては異色とも言えるシンプルさであり、初心者にも勧めやすい。
…また、シナリオ演出やBGMなどは、良い意味で“東方らしくない”と言えるものであり、これまでのシリーズとは一味違うストーリーやBGMが、やり応えのある弾幕を彩ってくれる。ゲームバランスも適切であり、全体として不親切や理不尽な要素は存在しない。満遍なく出来が良い一作なのである。
――というわけで、【タイトルBGMの『不思議なお祓い棒』(Youtube)】などは、まさに本作を象徴した曲と言えるものであり、今作の評価と合わせて俺が特に気に入っているものである。その他、【ピアノアレンジメドレー(Youtube)/(ニコニコ動画)】など、お勧めできる物も多い。「輝針城」は、長い東方シリーズの歴史の中でも、「傑作」と呼ぶべき作品なのである。
と。そんな感じで俺は、今作:「輝針城」について非常に高い評価をしているのだが…残念ながら、完全クリアには至っていないのである。
…さて、その理由はもちろん、我らの宿敵・咲夜Bだ。というのも、本作では自機を6タイプから選ぶことができるのだが、そのうちの一つである咲夜Bは、攻撃力低い・攻撃範囲狭い・ボムの火力ゼロという最低最悪の機体であり、他とは桁違いの難易度を誇っている。シリーズでも簡単な部類に入るEXTRAでさえ苦戦してしまい、LUNATICなどはついにクリアすることができなかった。ショット・ボムともに低火力なので雑魚戦でのアイテムの回収効率は最悪であり、ボス戦も他機体だと1〜2ボムで終わるような場面が3ボム+1機潰しですら突破できないことも多いため、4面以降の難易度は極悪そのもの。どう見ても魔理沙Bです。何なのだ、これは!
どうすればいいのだ?!
――ちなみに、他の機体を挙げてみると、とにかく霊夢のお祓い棒機体(「霊夢A」)が飛び抜けた強さを誇っている。ショット・ボムともに凄まじく高性能であり、漫然と使っても十分強いが、低速連打や決めボムなどを練習すれば更に強力である。クリアするためには、とりあえず序盤をパターン化して3面ボスまでに7〜8機程度を確保し、あとはひたすらボムを連打するだけでOK。「輝針城」の中ではもちろん、シリーズでも最強クラスと言って良い機体であり、「LUNATICはやや厳しめ」とされる本作の難易度を大きく下げるに至っている。そのうえかわいい。
というわけで、最強の「霊夢A」と最弱の「咲夜B」では、難易度にして1.5段階程度の差が出来てしまっているのである。ここまで機体タイプで難易度が掛け離れているのも、恐らくシリーズで始めてであろう。そのため、完全クリアーにはかなり骨が折れる…というか、俺にはついにクリアできなかった。5面到達で息切れクラスなのに、これプラス5ボス&6ボスとか無理だろPD…。
というわけで。「6機体のうち1つだけがクリアできない」という微妙に悔いの残る結果になった「輝針城」であるが、それがゲームとしての出来に傷を付けるわけではない。前述の通り、本作は俺が東方シリーズに再びハマりこむきっかけにもなった、傑作と呼んで良い作品なのである。
――そんなこんなで、「輝針城」が満足できる出来だったからこそ、俺は新作の「紺珠伝」にも大きな期待を寄せているのである。発売はこの夏ということで、プレイ時間も十分に確保できるだろう。うむ。いつまでも自分の趣味で楽しく遊ぶことができる。この世界が平和だと言うことである。
(2015年4月24日)
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